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RAW WINE TOKYOに行ってきた(前編)

2024年5月12日(日)に開催された「RAW WINE TOKYO」に行ってきました。
じわじわと世界各国で人気沸騰の自然派ワイン。
もはやクラシックワインの地位を脅かしかねないほどの熱気であふれた会場の様子を、前編・後編の2回にわたって実況します。

RAW WINE TOKYOってなに?

「RAW WINE」とは、自然派ワインにおける世界規模のワインプラットフォーム。

これまで、ロンドンをはじめ、ニューヨーク、ロサンゼルス、トロント、パリなど世界各地でイベントが開催され、今回東京でのイベント開催が、アジア初となったことで非常に注目度の高いイベントです。

創業者イザベル・レジュロン氏
ワイン業界で最高峰の資格「マスター・ オブ・ワイン」をフランス人女性で初めて取得し、ワイン⽣産者やインポーター、ワイン⽣産者協会など、生産者とわたしたち消費者をつなぐ活動とともに、自然派ワインの普及活動に尽力されています。
著書『⾃然派ワイン⼊⾨』もベストセラー。

会場は、ワインの保管やレンタルセラーなどの管理を行う、東京・品川の寺⽥倉庫「 B&C HALL」。

世界15か国以上の自然派ワイン生産者がこの日のために来日し、100種類以上の素晴らしいワインが集結しました。 

各国のワイナリーを紹介

1. 日本・北海道「Domaine Takahiko」

言わずと知れた北海道・余市の自然派ワインの生産者「Domaine Takahiko
「ナナ・ツ・モリ2022」と、「ヨイチノボリ2021」をテイスティング。
どちらも非常に慈悲深く、いついただいても、体中に優しさがいっぱい広がります。

ヨイチノボリは1本だけ持参されていたようで、開場後真っ先にブースに伺って大正解でした。1年のヴィンテージ差を非常に感じるテイスティングで、ヨイチノボリのほうがより複雑さを感じました。

「ナナ・ツ・モリ」は自社栽培ぶどう100%で造られるフラッグシップワイン、「ヨイチノボリ」は創業者である曽我さんが尊敬するヴィニョロンから購入したぶどうで造られているワインです。

2.アメリカ・カリフォルニア「Stirm Wine Company」

日本未入荷の「Stirm Wine Company」ではリースリングの2017と2022と飲み比べました。
ナチュール感がすごくて、どちらも味わい深い。5年の熟成期間の違いが、色合いにもはっきりと表れていました。

サンジョベーゼから造られたペットナット「Super Bueno」はチャーミングでほのかにスパイスを感じる味わいのロゼでした。
来日されていた女性生産者が明るく陽気な方で、豊かなカリフォルニアの空気を感じながら会話を楽しむことができたことに感謝です。


3.オーストラリア・バロッサヴァレー「Yetti and the Kokonut & Bink Wines」

日本でも人気の「Yetti and the Kokonut & Bink Wines」

セニエ法で造られた美しいピノ・ノワールのロゼ。口に含んだ瞬間、たくさんのフレッシュなぶどうの果実が口いっぱいに広がり、豊かなバロッサヴァレーの情景が思い浮かびました。

シャルドネ100%で造られたペティアンも、究極のペットナットという印象。フレッシュ且つ洗練された味わいで、じわじわと体中にぶどう本来の味わいがひろがります。

4.フィンランド「Noita Winery」

人生で初めていただいたフィンランドのワイン「Noita Winery」
地球温暖化も相まって、少しずつワイン生産地も北上しているのだと改めて実感しました。

今はまだオーストリアから低温輸送にてぶどうを買い付け、醸造のみをフィンランド国内で行っているとのこと。今後の展望として自社栽培のぶどうからのワイン作りを目指していると仰っていました。

リースリングにミュスカデを少しブレンドした白と、シャルドネをいただきました。今後が楽しみな、応援したい生産者のひとつです。

5.オーストリア「Weingut Gernot&Heike Heinrich」

大阪・茨木市にあるヘレンベルガー・ホーフさんが輸入されているワイナリーのひとつ「Weingut Gernot&Heike Heinrich」
品質の良いワインを多数輸入されており、今回のイベントでは日本未入荷ワインも用意されていると伺い期待度が上がります。

「オーウェン・ザ・セインツ・ペットナット2021」
有無を言わさず「おいしい」の一言。ブラン・ド・ノワールで造られたコクのある味わいは、現地のワイン誌Vinariaのペットナット部門でオーストリアNo,1を受賞されたそうです。

「グラウエ・フライハイト2020」
今回テイスティングしたなかでも際立っておいしかったオレンジワイン。
大樽とアンフォラでの熟成を経て、旨味をこれでもか! と凝縮したような深い味わい。めずらしいボトルにも興味を引かれました。

6.スペイン・カタルーニャ「Descregut」

ファミリー経営をされている「Descregut」は、2020年1月D.C.カバを脱退。より厳格なスペイン最高峰のスパークリングワインを手掛ける生産者として、CORPINNAT(コルピナット)というEUの団体へ、10社目のワイナリーとして加盟しました。

来日されていたご夫婦のお人柄が如実にワインへ反映されているような優しい味わいのワインで、強く印象に残っています。おどろくほど、どのワインも非常にすばらしく、そして価格帯が非常に廉価。今後ますます注目の生産者です。

「Descregut Brut Nature Reserva 2021」
5種類のぶどうをブレンドしたコルピナットは、熟した果実の存在感がありありと感じられる、心から素直に、優しく、おいしい泡。

「Orbites Improbables 2021」
6か月アンフォラ熟成のオレンジは、わずか10%ながら配合されているモスカテルを、香りと味わいの奥に感じる余韻の長さが特徴的。

「Fera fcrotge 2021」
スモイというカタルーニャの土着品種100%で造られた珍しい赤。酸が非常にシャープで驚き。ジューシーな果実味を美しい酸が際立たせていました。

まとめ

「RAW WINE TOKYOに行ってきた(前編)」では、日本・アメリカ・オーストラリア・フィンランド・オーストリア・スペインから、各1ワイナリーずつワインのご紹介をしました。後編では、イタリア他、魅力的な自然派ワインとその造り手をご紹介します。

コロナがようやく落ち着き、このような大きなワインイベントが再び開催できることになった喜びを感じた1日でした。後編もどうぞお楽しみに。

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